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涼しげな鳴き声~ヒグラシ~

ちょっと間が空きましたが,今日は前々回のセミの続きです。
今日は,日本人にはなじみの深い,ヒグラシについて。

●ヒグラシ
ヒグラシ


北海道から九州,奄美諸島,石垣島,西表島に分布するセミで,東日本では平地で普通に見られますが,西日本では丘陵地や里山などの少し標高が高いところに多く見られます。
日暮れ時に良く響く声で鳴くので「ヒグラシ」と名が付きました。
ちなみに,石垣島,西表島のヒグラシは,「イシガキヒグラシ」という亜種で,別種とする学者もいます。
いろんな樹木で鳴いているのが見られますが,スギやヒノキが好きなようで,スギ・ヒノキの植林地でよく聞くことができます。
鳴き声は,カナカナカナカナ・・・・という声が4,5秒続きますが,一匹が鳴き始めると周囲のヒグラシもそれに同調して鳴き始める習性があるので,森全体がカナカナカナカナ・・・・と大合唱しているかのように聞こえます。
夕方に鳴くことで知られていますが,朝も,夜明けとともに30分ほど鳴きます。

このセミも,都市化の進んだ市街地や住宅地では見かけることはできません。
都市部でも,東京の明治神宮のように大きな緑地があるところではその鳴き声を聞くことはできますが,近年では明治神宮でも数は少なくなっているそうです。
その理由は良く分からないようですが,一説には,ニイニイゼミと同じく,都市部の緑地の数が減少してしまったために分布を広げることができず,年々減少しているのだとも言われています。

福岡では,夏の夕刻の山間部でカナカナカナカナ・・・・という清涼感溢れる鳴き声の大合唱が聞こえます。
この鳴き声を聞くと,小学校時代の夏休み行った林間学校やキャンプや,虫取り網を持って暗くなるまで駆け回った田舎の山々を思い出し,何となくもの寂しい郷愁に浸ってしまいます。

ヒグラシは漢字で「秋蜩」とも書く,俳句では秋の季語として知られたセミです。かの万葉集などにも登場しますが,実際は秋に声を聞くことはできません。
昔の人は,あのどことなく物悲しい,涼しげな鳴き声から,やがて訪れる秋の寂寥感や涼しさを感じ取っていたのではないでしょうか?

ちなみに,このヒグラシも比較的低いところに止まって鳴く習性があるので,ニイニイゼミと同じく捕まえやすい部類に入るでしょう。
しかし,ヒグラシを捕まえたときに発する鳴き声は,ケケケケ・・・とかゲッ,ゲッとかいう味気ない声なので,とても幻滅してしまいますがね。

ウナギはなぜ高い?

本日は「土用の丑の日」。

日本人には馴染み深い「ウナギ」ですが,その正体については意外と知られていないようです。

●ウナギ(ニホンウナギ)

umagi.jpg


日本に生息するウナギは,ウナギとオオウナギの2種類です。
私たちが食べるのはウナギ(ニホンウナギ)で,日本全国に分布します。
オオウナギは利根川以南に生息し鹿児島県の池田湖のヤツが有名ですが,大きいだけで美味しくはありません。

ウナギは,湖沼,河川の上流から河口まで広く生息していますが,産卵は海で行います。
海といっても,その産卵場は日本から南へ2000?ほど離れたマリアナ諸島の西,スルガ海山と呼ばれる場所であろうと推測されています(実は天然のウナギの卵はまだ見つかったことはありません)。
日本のウナギは,産卵のためにこの遠い海域まで旅をし,そこで生まれたウナギの子供は黒潮に乗って再び日本近海まで移動し,全国の河口に辿り着きます。
河口に現れるウナギの子供を「シラスウナギ」といいます。シラスウナギは12月から3月頃にみられ,「小さな白いウナギ」といった格好をしています。
シラスウナギは,河川を上流へ上流へと上っていきます。ウナギの遡上能力(川をさかのぼる能力)は高く,滝や堰,ダムの垂直なコンクリートの壁をもよじ登ることができ,川と通じていない湖沼にまで到達するヤツがいるそうです。
ウナギは湖沼河川で5~10年生活し,雄では体重約600g、雌では体重約1kgになると,秋から冬に海に下って産卵場に向かうといわれています。ちなみに,産卵後のウナギたちは,死んで深海の藻屑となってしまいます。

●ウナギは何故高いのか?
国産のウナギは高価です。しかし,養殖モノも決して安くはないですよね。
養殖ウナギまでもが高価なのは,卵から親ウナギまで完全に養殖する技術が確立されていないからです。
養殖ウナギは,河口にやってくるシラスウナギを捕まえて,それを種苗にして養殖池で養殖します。だから,養殖モノとはいえ,もとは天然のウナギなのです。そのため,生産量が安定せず,値段も高めになるというわけです。
ちなみに,シラスウナギは誰でも採れるものではありません。「特別採歩許可」という都道府県知事の許可が必要で,大きさや採る量に制限があります。
シラスウナギの相場は1匹5~300円。
今年はシラスウナギが不漁だったこともあって,今の時期のウナギは少々値段が高いということです。
日本で養殖しているウナギの種苗(シラスウナギ)は,最近ではフランスやオランダなどのヨーロッパから輸入するところが増えてきたようです。
ちなみに,ヨーロッパのウナギは,「ヨーロッパウナギ」という日本のウナギとは別種のウナギ。

最近は,ウナギの卵からシラスウナギにまで育てる実験も成功したということなので,うな重やせいろ蒸しなんかは,将来庶民的な食べ物になるかも知れません。

●ウナギをさばく時は気をつけよう
ウナギを自宅でさばいて調理するなんてことはめったにないと思いますが,調理するときには気をつけなければならないことがあります。
ウナギの血液には毒があるからです。
ウナギの血液には,「イクチオヘモトキシン」という毒素が含まれていて,口に入れると呼吸困難,吐き気などの中毒症状をおこします。また、傷口から入ると化膿したり,目に入れると炎症を起こしたりします。
しかしこの毒素はたんぱく質なので,60℃以上で5分も加熱すると無毒化されます。
なので,刺身で食べたりしない限りは何ら問題はありません。

ちなみに,アナゴ,ハモ,ウツボなどウナギ目に分類される魚の血液にはすべて毒があります。
お気をつけあれ。

セミと環境?~初夏のセミと晩夏のセミ~

今日は,夏の訪れを知らせるセミと,秋の訪れを知らせるセミの話です。

夏の訪れを知らせるセミは,梅雨時期の6月中旬頃羽化を始めるニイニイゼミ
秋の訪れを知らせるセミは,8月初旬に羽化を始め,9月初旬まで鳴いているツクツクボウシ

●ニイニイゼミ
ニイニイゼミ


北海道から沖縄本島以北の南西諸島までに広く生息し,6月から9月に発生する小型のセミ。平地から丘陵地に生息しています。
鳴き声は”チ~~”と長く,夜明けから夕暮れまで断続的に長い時間鳴いています。
脱皮殻が泥だらけという特徴もあります。

ニイニイゼミは,サクラの木を特に好むようです。
しかも,コイツは相当鈍い(警戒心が弱い)く,意外と低いところにとまっているので,慣れれば素手でも捕まえることができてしまいます。
自然がまだ残っている地域なら,サクラの並木などにいってみると,コイツを捕まえることができるかもしれません

ちなみに,松尾芭蕉の「閑さや岩にしみいる蝉の声」という俳句の蝉の声とは,このニイニイゼミのことです。

●ツクツクボウシ
ツクツクボウシ


北海道からトカラ列島以北の南西諸島に分布し、7月から9月初旬ごろ,地域によっては11月頃まで鳴き声を聞くことができる,秋の訪れを知らせるセミです。
特に関東より西の平地から低山地に多く生息しています。

ツクツクボウシの名は鳴き声から取られたものですが,この種類は世界でももっとも複雑な鳴き声を持つセミといわれています。

一般的な鳴き方は,
ジ~~~~オーシンツクツク(×14,15回),オシヨーシ,オシヨーシ,オシヨーシ,オシヨーシ,ジ~~~~~
というところでしょうか。


ニイニイゼミもツクツクボウシも,かつては住宅地周辺で普通に見られた種類でしたが,近年は減少しているといわれています。
特にニイニイゼミの都市部での減少は著しいようです。
理由はいくつか挙げられます。
ひとつには,都市化が進んで乾燥した公園や緑地,住宅地が増えたこと。
ニイニイゼミは乾燥した地面に穴を掘ることが苦手なために数が減少し,
クマゼミに取って代わられたと言われています。

もうひとつの理由として,市街化が進む都市部では,中小規模の緑地の数が減少し,緑地と緑地の距離が数?離れるような環境になってしまったこと。
ニイニイゼミは小型のセミであるため,飛翔力がほかのセミよりも格段に弱く,緑地と緑地との距離が数?以上も離れてしまうとその間を移動できず,分布を広げることが困難になってしまい,結果として数が減少しているらしいのです。
飛翔能力が弱いということは,移動中の捕食(鳥などの外敵に食べられること)の危険も増大します。

身近なちょっとした緑地や公園がなくなると,そのなくなった緑地に棲んでいたいきものだけが被害を受けるのではなく,その周りに棲んでいる小さないきものも移動手段を失ってしまい,結果としてその地域から姿を消してしまうことになるのです。

セミと環境?~都会のセミ~

7月もすでに中旬。
九州地方ではまもなく梅雨が明けると思われます。

梅雨が明けると夏本番。
夏の風物詩的ないきものといえば,「セミ」でしょう。

身近ないきものですが,セミといえばどんなセミを思い浮かべるでしょうか?
アブラゼミ,クマゼミ,ミンミンゼミ,ツクツクホウシ・・・
これらのセミたちは,もちろん,北の地方と南の地方で鳴き声が聞ける種類が違う(分布が違う)のですが,同じ地域でも,自然の豊かな地域とそうでない地域で,鳴き声が聞ける種類と聞けない種類がいます。

日本には約30種類のセミが生息しています。
セミは夏に地上に出てきて鳴き始めるいきものだと思われていますが,春先に地上へ出てきて鳴き始めるセミもいます。

そんなセミたちの中で,わりと広い地域に分布し,わりと知られた種類で,自然環境の指標として使えるセミとして,

クマゼミ,アブラゼミ,ミンミンゼミ,ニイニイゼミ,ヒグラシ,ツクツクボウシ,ハルゼミ

を取り上げて話をしましょう。

このうち,アブラゼミとクマゼミはいろんな環境に棲むことができますが,都会・都市部で多くみられる種類です。
そのほかのセミたちは,緑の少ない都会ではお目にかかることは少ない種類です。緑のあるなしだけではなく,どんな種類の木が植えられているかによって見られる種類も異なってきます。

今日は,どこにいても出会うことができるアブラゼミとクマゼミについて。

●アブラゼミ
アブラゼミ

北海道から九州,種子島,屋久島に及ぶ広い地域に生息しています。
沖縄にもアブラゼミは生息していますが,沖縄のヤツは”リュウキュウアブラゼミ”と呼ばれ,別の種類として扱われています。
アブラゼミという名の由来は,ジージリジリジリジーという鳴き声が油を揚げているときの音に似ているから,あるいは,羽の色が油紙に似ているからといわれています。
幼虫は,土の中で6~7年過ごし,孵化後,成虫になると2週間程度の命といわれています。
日本で一番ポピュラーなセミといっていいでしょう。

●クマゼミ
クマゼミ

関東より西の太平洋側に多いセミです。
日本では最大のセミに分類されます。
鳴き声は,シャアシャアシャアシャアシャア・・・・とかなりの大音量で,一番うるさいセミでもあります。主に午前中を中心にうるさく鳴いているようです。

平地の公園や街路樹で多く見られる種類ですが,ちょっと前まではそんなに多い種類ではありませんでした。
私が子供の頃(25年ほど前)には,クマゼミは平地では珍しく,神社や雑木林などに出かけても,高~いところにしかとまっていない,採集困難なヤツでした。コイツを捕まえると,小学校ではヒーローになったものです。

しかし,クマゼミは、近年環境省の調査でも分布を広げていて,特に町の公園や街路樹では特に多く,都市化の進行の指標になると言われています。

この原因についてはいろいろと言われていますが,その理由のひとつとして,クマゼミは,ほかの種類のセミが穴を掘れないような,人が踏み固めてカチカチに固くなった地面でも穴を掘って生息することができるからだ,といわれています。

おまけにこのクマゼミは,都会で大迷惑なことをしでかしています。
ちょっと前に,ある都市で光ファイバーの通信が切れてしまったことがありました。その原因を調べたら,クマゼミが光ファイバーのケーブルに産卵管(卵を木の中に産み付けるための管)で穴を開けて切断したためだと判明。光ファイバーのPVC外皮中央の溝が,クマゼミに産卵場所として気に入られてしまうため,時々発生しているらしいのです。

都会で大発生しているこの2種のセミ。
自分の住んでいる地域で,この2種のセミしか見つけられないようなことであれば,その地域の自然環境はとっても貧弱だと言えるのです。

家ネズミ

今回は,家ネズミのお話です。
前々回に書いたとおり,日本における家ネズミとはハツカネズミ,ドブネズミ,クマネズミの3種のことを言います。

今回は,このうち,特に都市部で害獣として問題となっているドブネズミ,クマネズミです。

●ドブネズミ

ドブネズミ


体長(頭から尾の付け根の長さ)は22~26cm,体重は最大のもので500gを超します。家ネズミ3種の中では最も大型で,獰猛なネズミです。
原産地はアジア中央部ですが,現在では世界各地に生息しています。
主に床や床下を移動して生活し,よほどのことがない限り高い所へは昇らないという習性があります。また,水がなければ生きていけません。

●クマネズミ

クマネズミ


体長は15~23cm,体重は100g~200g程度。
原産地はマレー半島からインド・ビルマにかけてのアジア南部で,主に木の上で生活しています。現在では全世界に分布しています。
垂直行動が得意なため民家の天井裏に生息しており,別名屋根ネズミ(海外ではルーフラット)と呼ばれます。
ドブネズミと違い,乾いたところが好きなネズミです。


●都会で増えるクマネズミ
1960年代,東京ではドブネズミが急速に増殖していきました。
それは,下水道の発達によってドブネズミの好きな湿った環境が増え,獰猛なドブネズミは下水道を伝って勢力を拡大したと考えられます。

しかし,高度成長期からバブル期にかけて,高層ビルがどんどん建つようになってから,東京のネズミ相は一変しました。

垂直移動ができないドブネズミは地面・地下でしか生息できないのに対し,屋根ネズミといわれるクマネズミは高層ビルを縦横無尽に行き来することができます。
しかもクマネズミは殺鼠剤に対して警戒心が強く,また殺鼠剤自体に強いために,無警戒に殺鼠剤を食べて死んでいくのはドブネズミばかりとなり,結果的にクマネズミが都市部で優占することとなったのです。

クマネズミは,電気やコンピュータの配線をかじってしまうので,ショートして火事を起こしたり,システムダウンの要因になったりして,都市部で問題となっています。

クマネズミを駆除するために都市部では殺鼠剤を使い続けました。その結果,殺鼠剤がまったく効かないクマネズミが登場しました。
その名も「スーパーラット」。
現在は,この「スーパーラット」を駆除するためのより強力な殺鼠剤を使っているとのこと。

きっとそのうち,その薬も利かない「ウルトララット」とか「スペシャルラット」とかいうヤツが登場することでしょう。

野ネズミその?

今回は,前回に引き続き,身近にいるのにあまり知られていない野ネズミのお話。

今日は,カヤネズミです。

カヤネズミ


カヤネズミは,関東より南の本州・九州に住む暖かい地方に生息する野ネズミです。
このカヤネズミの特徴は,何と言ってもその”小ささ”です。
日本でもっとも小さいネズミで,大きさは6cm(大人の親指程度),体重は6g(500円玉1枚分)しかない,おもわず頬擦りしたくなるカワユサです。
こいつらが住んでいる環境は,河川敷や里山の休耕田などの,ススキ,チガヤ,ヨシなどが生えている広い草原です。このような「カヤ原」に住むネズミなので,カヤネズミといいます。
ススキやチガヤの葉っぱを使って,地上から1.5mくらいの高さに下のような野球のボールくらいの丸い巣を作ります。
草の上に巣を作るネズミは,日本ではこのカヤネズミだけです。

カヤネズミの巣


このネズミは,チガヤやススキなどの生えるカヤ原が無いと生きてはゆけません。昔はたくさんあったカヤ原も,市街地化が進んで里山が住宅地に変わり,河川敷や土手はコンクリートで固められ,ものすごい勢いで消滅しつつあります。
しかも,カヤネズミは20mほどの範囲で一生を過ごすため,急激な開発から逃れることもできません。

カヤネズミがいなくなれば,カヤネズミを餌とする,モズなどの鳥やヘビもいなくなってしまい,生き物がたくさん生息する豊かな環境が失われるのです。

見た目には何にも居なさそうな草っぱらですが,小さなネズミを中心とした生態系がちゃんとあるのです。

近くにカヤ原があれば,探してみるとカヤネズミに出会えるかもしれません。

野ネズミその?

前回はちょっと特殊な地域のネズミのお話でした。
今日は,身近なネズミについて。

「野ネズミと家ネズミ」というイソップ童話をご存知でしょうか?

仲良しの野ネズミと家ネズミがいました。
ある日,野ネズミは家ネズミにオオムギとコムギをご馳走しました。
家ネズミは「こんな質素なものじゃなく,うちに来ればもっと美味しいものをご馳走するよ」といいました。
野ネズミは家ネズミの家に行き,チーズや蜂蜜や果物をご馳走になり,自分がいかにみじめな暮らしをしているのかを知って嘆きました。
しかし,家ネズミの住む家には人間が出入りします。
人間が部屋に入ってくると,食事の途中でも穴へ逃げなければ,見つかったら殺されてしまいます。
それを見た野ネズミは,「僕は人間におびえてビクビクしながら美味しいものを食べる生活よりも,怖い目にあわずにオオムギ,コムギを食べながらのんびり暮らすほうが幸せだ」といって,山へ帰っていきました。びくびくしながらぜいたくするよりは、質素にくらしてのんきに生きているほうがいい,
というお話です。

さて,この「家ネズミ」と「野ネズミ」はどう違うのでしょうか?
それは,種類が違うのです(←当たり前だろっ!!)

日本の家ネズミの代表種は,ドブネズミ,クマネズミ,ハツカネズミが挙げられます。わりと名前の知られたネズミたちですね。
最近は住環境が良くなって,家の中でネズミを見かけることは少ないですが,都市部ではこれらの家ネズミたちが,飲食店の残飯をあさり,高層ビルを縦横無尽に行き来して配線をかじってたりして,結構人様に迷惑をかけています。
駆除するための毒入り団子でも死なない,スーパーラットなるものまで出現しているネズミたちです。

一方,野ネズミは家ネズミ以外のすべてのネズミです。もちろん,都市部ではお目にかかれません。
日本に比較的広く生息している代表種は,ハタネズミ,アカネズミ,ヒメネズミ,カヤネズミが挙げられます。森や草地,田畑などに生息していますが,意外とマイナーなネズミたちです。

今日は,野ネズミのうち,日本で一番広い範囲にたくさん住んでいるのになかなか気付いてもらえない”アカネズミ”について。

akanezumi.jpg


アカネズミは,野ネズミの代表種で,北海道から屋久島まで生息しています。里山や自然の多い雑木林や森の中に住んでいますが,夜行性のためあまり人目には付きません。
市街化が進むと姿を消すので,地域の自然度をあらわす指標種となります。
体長は10?くらい。

地中に巣穴をつくり,冬に備えてクリやドングリを何十個と蓄える習性を持っています。
そのため,昔の人は,アカネズミの巣を見つけて,蓄えてある木の実ををごっそりとGETしたということです。
先人の知恵ですね。

新種のネズミ

鹿児島県徳之島に生息するトゲネズミという種類のネズミが,実は新種のネズミであることが分かり,「トクノシマトゲネズミ」と名づけられたそうです。

トゲネズミは,奄美大島・徳之島・沖縄本島の三島にだけ生息するネズミで,奄美大島に生息するものは「アマミトゲネズミ」,沖縄本島に生息するものは「オキナワトゲネズミ」といいます。
徳之島に生息するものはこれまでオキナワトゲネズミに近いとされていたのが,染色体や遺伝子,形態の比較検討の結果,新種「トクノシマトゲネズミ」として確認されたということです。
日本での新種の哺乳類の確認は,8年ぶり。
まあ,琉球列島には日本固有種(日本にしか生息しない種類)が多いことだし,特に大きな話題にはなっていませんが(^^;)

この3種のトゲネズミは面白い習性があって,ハブに襲われると60cmもジャンプして,ハブの攻撃をかわすことができるそうです。
ハブの住む島に生息するネズミらしい面白い習性です。
しかも,このトゲネズミの仲間はハブの毒に強いらしく,噛まれてもしばらくは死なないらしい。
しばらくは・・・ということは,結局死んでしまうのですが・・・
(ハブに噛まれると人間でも数十分で死に至ります)

ハブは,一旦獲物に噛み付いたて毒液を注入した後,一度口から獲物を離して,死んだことを確認してから食べるという習性があります。
ハブ毒に強いトゲネズミは,噛まれてしまっても,ハブが一旦口から離した隙に逃げてしまうのでハブに食べられずに済む,ということらしいです。
で,結局死んでしまうのですが,”食べられない”ということに何のメリットがあるのか・・・?
不思議です。

↓トクノシマトゲネズミ(西日本新聞より)ちょっと画像悪くてごめんなさい。

トクノシマトゲネズミ

福岡オリンピックとビオトープ

福岡市は,2016年夏季オリンピック開催地に立候補しました。
同じく東京都も立候補していて,2つの都市が国内候補地を巡って一騎打ちの様相です。
福岡市民はあまり盛り上がってはいませんがね(^^;)

さて,オリンピック誘致の賛否は置いておいて,今回は6月30日に提出された「第31回オリンピック競技大会国内立候補都市 開催概要計画書」から,“福岡オリンピックとビオトープ”について考えます。

福岡市のオリンピックのコンセプトは,
「150万都市でのオリンピック開催モデルの提案」
「博多湾を舞台に持続可能なオリンピックの実現」
「Games for All すべての人々のためのオリンピック」
「アジアの融和と発展,そして世界平和への貢献」
となっています。

ビオトープにかかわるコンセプトは,「持続可能なオリンピックの実現」というところです。
このコンセプトの中には,「生態系を保全することに加え,市街地の緑化・緑地整備を行って生き物の新たな生息環境(ビオトープ)を創出する」ということが明記されています。

オリンピックで生態系を保全し,ビオトープを創出するとはどういうことか?

福岡オリンピックは,須崎ふ頭・百道浜・海の中道の3つの大きなクラスター(競技会場)で行われます。
いずれのクラスターも,計画を見る限りは自然環境を破壊するような開発行為は見て取れません。
そこで,ビオトープの視点から福岡オリンピックの計画を考えると,その中心は,

“生物の生息する環境が極端に少ない市街地(須崎ふ頭・百道浜)に生物の生息空間(ビオトープ)を如何に効果的に整備するか”

という問題になります。

福岡市の計画では,須崎埠頭の選手村を緑被率50%にして生き物が生息できる空間(ビオトープ)として整備することになっています。具体的には下の写真に示されるように,建物の屋上緑化を中心とした緑化になると思われます。
最近は,ヒートアイランドの緩和策として屋上緑化が推進されていますが,生物の生息空間(ビオトープ)として整備するためには,ただ単に芝を貼ったり木を植えたりというわけにはいきません。
外来種を植えない,郷土に生える木を植える,生き物の生息が可能な樹種を選択する・・・といったことが重要です。
sensyumura1.jpg

また,市街地のような生物の生息場所(ビオトープ)がほとんど無い場所に,いきなり緑地を作ってもたくさんの生き物はやって来てはくれません。市街地に作った緑地に生き物を呼び込むためには,生き物がたくさん生息しているビオトープから市街地のビオトープへの誘導路を作る必要があります。
それが「緑のコリドー」と呼ばれるものです。
「緑のコリドー」とは,ビオトープとビオトープをつなぐ「緑の道」みたいなものです。
下の写真は選手村のイメージ図です。選手村のはるか後方には山地や緑地があるのがわかると思います。この山地と選手村を「緑のコリドー」で結んで,山地に生息する生き物を選手村まで呼び込み,選手村を新たなビオトープとするのです。
福岡市では,街路樹を「緑のコリドー」として,市街地に整備することを計画しています。
どのような種類の街路樹をどのルートに整備して背後の山々と選手村を結ぶのか,これには専門的な解析が必要です。
ただ木を植えればいい,という単純なものではありません。
生き物が利用しやすい樹種を選ばなければいけませんし,効率よく植えていかなければなりません。
どのように選手村を立派なビオトープとして整備するのか。
「環境都市・福岡市」としての腕の見せ所でしょう。
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このブログについて~はじめに~

ビオトープとは?
教科書的に答えるなら,「bio(バイオ=生命,生物)とtopos(トポス=場所)の合成語で,生物の生息空間のこと」という答えになります。
世間一般では,”ビオトープ”というと,池と水草とちょっとした雑木がセットになった,小学校の校庭に作るような箱庭的な水辺空間をそのように呼ぶことが多いです。

しかし,本当の意味のビオトープはそうではありません。

生物が,その場所を必要として生息している空間は,すべてビオトープです。
琵琶湖のような大きな湖,知床半島や屋久島のような自然度の高い自然もビオトープです。
家の庭や町内の小さなため池,街のちょっとした雑木林も身近なビオトープです。
ちょっと田舎に行けば,小川,田んぼや用水路,神社の森,海,砂浜,裏山もビオトープです。

ビオトープの現状とは?
最近は,屋久島や知床半島などが世界遺産に登録され,原生自然や自然度の高いビオトープの貴重性が広く認識され,自然保護の機運が高まりつつあります。

一方で,自分の住んでいる身近なビオトープには,みな無関心です。
街中の小さな緑地は宅地造成のために潰されています。
街中を流れる川はコンクリートで固められて,ひどいところはフタをされて生物の生息空間として用を成さなくなったものも多くあります。
田んぼは潰されて大型ショッピングセンターが建てられています。

屋久島や知床半島は,それ自体とても貴重で大切なビオトープであることは間違いありません。
しかし,自然が年々少なくなる都市や市街地では,どこにでもあるようなちょっとしたビオトープが,実はとても重要な役割を果たしているのです。たった一つの雑木林やため池がなくなることで,その町からあっという間に生き物がいなくなってしまうことがあります。
そういう小さなビオトープの消滅が積み重なった結果が,メダカやゲンゴロウ,タガメ,ミノムシといった,かつて身近にたくさんいた生き物ががいなくなってしまった現況を生んでいるのです。

で,このブログの役目は?
昔は身の回りにたくさんの生き物がいました。
子供の遊び相手は,身の回りの虫や草や小動物でした。
身近な自然が少なくなった現在では,子供たちの関心は身の回りの自然には興味を示しません。
興味を示さなければ,知識も得られません。
興味も知識もなければ,なくなっても気付かないし,関心もありません。
身近な自然がなくなっても関心を示さなければ,故郷の自然は破壊され,気が付けば,自分の故郷が,人間とゴキブリとハエと蚊とネズミとカラスだけの町になってしまいます。

私は,自分の住む街の残された自然環境を少しでも守るため,また,少しでもよい方向へ自然環境を向上させるために,ビオトープを保全するためのプロである「ビオトープ管理士」という公的資格を取得しました。
しかし,思いもよらぬ病魔に冒され,仕事を通じて自分の目標を達成することは困難な現状となりました。
そこで,思いついたのが,開発にかかわる行政やコンサルタントや専門家・学者だけではなく,生き物やビオトープなんかに関心が無い一般の人に少しでも身近に生き物がいる暮らしのおもしろさや楽しさを知ってもらおう,ということでした。
そういう思いから,このブログを立ち上げました。

このブログでは,身近な自然や生き物のことについて,なるべく分かりやすく,できればおもしろいウンチクなどを中心に書いていこうと思います。
このブログを読んでもらうことで少しでも身近なビオトープや生き物に関心を持つひとが増え,身近なビオトープが守られる方向へ進む,ごくごく微力な手助けになればと願っています。

・・・とはいえ,私も決して専門の勉強をした人間ではありません。また,私の主張がすべて正しいとも思っていません。

お前の考えは間違っている!
そんな批判があれば,大歓迎で受け付けます。

病床の身なので,更新頻度はさほど多くないかもしれません,ひとりでも多くの人に読んでいただけると幸いです。

-2006.7.4 入院中の病室にて caridina-
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