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涼しげな鳴き声~ヒグラシ~

ちょっと間が空きましたが,今日は前々回のセミの続きです。
今日は,日本人にはなじみの深い,ヒグラシについて。

●ヒグラシ
ヒグラシ


北海道から九州,奄美諸島,石垣島,西表島に分布するセミで,東日本では平地で普通に見られますが,西日本では丘陵地や里山などの少し標高が高いところに多く見られます。
日暮れ時に良く響く声で鳴くので「ヒグラシ」と名が付きました。
ちなみに,石垣島,西表島のヒグラシは,「イシガキヒグラシ」という亜種で,別種とする学者もいます。
いろんな樹木で鳴いているのが見られますが,スギやヒノキが好きなようで,スギ・ヒノキの植林地でよく聞くことができます。
鳴き声は,カナカナカナカナ・・・・という声が4,5秒続きますが,一匹が鳴き始めると周囲のヒグラシもそれに同調して鳴き始める習性があるので,森全体がカナカナカナカナ・・・・と大合唱しているかのように聞こえます。
夕方に鳴くことで知られていますが,朝も,夜明けとともに30分ほど鳴きます。

このセミも,都市化の進んだ市街地や住宅地では見かけることはできません。
都市部でも,東京の明治神宮のように大きな緑地があるところではその鳴き声を聞くことはできますが,近年では明治神宮でも数は少なくなっているそうです。
その理由は良く分からないようですが,一説には,ニイニイゼミと同じく,都市部の緑地の数が減少してしまったために分布を広げることができず,年々減少しているのだとも言われています。

福岡では,夏の夕刻の山間部でカナカナカナカナ・・・・という清涼感溢れる鳴き声の大合唱が聞こえます。
この鳴き声を聞くと,小学校時代の夏休み行った林間学校やキャンプや,虫取り網を持って暗くなるまで駆け回った田舎の山々を思い出し,何となくもの寂しい郷愁に浸ってしまいます。

ヒグラシは漢字で「秋蜩」とも書く,俳句では秋の季語として知られたセミです。かの万葉集などにも登場しますが,実際は秋に声を聞くことはできません。
昔の人は,あのどことなく物悲しい,涼しげな鳴き声から,やがて訪れる秋の寂寥感や涼しさを感じ取っていたのではないでしょうか?

ちなみに,このヒグラシも比較的低いところに止まって鳴く習性があるので,ニイニイゼミと同じく捕まえやすい部類に入るでしょう。
しかし,ヒグラシを捕まえたときに発する鳴き声は,ケケケケ・・・とかゲッ,ゲッとかいう味気ない声なので,とても幻滅してしまいますがね。

セミと環境?~初夏のセミと晩夏のセミ~

今日は,夏の訪れを知らせるセミと,秋の訪れを知らせるセミの話です。

夏の訪れを知らせるセミは,梅雨時期の6月中旬頃羽化を始めるニイニイゼミ
秋の訪れを知らせるセミは,8月初旬に羽化を始め,9月初旬まで鳴いているツクツクボウシ

●ニイニイゼミ
ニイニイゼミ


北海道から沖縄本島以北の南西諸島までに広く生息し,6月から9月に発生する小型のセミ。平地から丘陵地に生息しています。
鳴き声は”チ~~”と長く,夜明けから夕暮れまで断続的に長い時間鳴いています。
脱皮殻が泥だらけという特徴もあります。

ニイニイゼミは,サクラの木を特に好むようです。
しかも,コイツは相当鈍い(警戒心が弱い)く,意外と低いところにとまっているので,慣れれば素手でも捕まえることができてしまいます。
自然がまだ残っている地域なら,サクラの並木などにいってみると,コイツを捕まえることができるかもしれません

ちなみに,松尾芭蕉の「閑さや岩にしみいる蝉の声」という俳句の蝉の声とは,このニイニイゼミのことです。

●ツクツクボウシ
ツクツクボウシ


北海道からトカラ列島以北の南西諸島に分布し、7月から9月初旬ごろ,地域によっては11月頃まで鳴き声を聞くことができる,秋の訪れを知らせるセミです。
特に関東より西の平地から低山地に多く生息しています。

ツクツクボウシの名は鳴き声から取られたものですが,この種類は世界でももっとも複雑な鳴き声を持つセミといわれています。

一般的な鳴き方は,
ジ~~~~オーシンツクツク(×14,15回),オシヨーシ,オシヨーシ,オシヨーシ,オシヨーシ,ジ~~~~~
というところでしょうか。


ニイニイゼミもツクツクボウシも,かつては住宅地周辺で普通に見られた種類でしたが,近年は減少しているといわれています。
特にニイニイゼミの都市部での減少は著しいようです。
理由はいくつか挙げられます。
ひとつには,都市化が進んで乾燥した公園や緑地,住宅地が増えたこと。
ニイニイゼミは乾燥した地面に穴を掘ることが苦手なために数が減少し,
クマゼミに取って代わられたと言われています。

もうひとつの理由として,市街化が進む都市部では,中小規模の緑地の数が減少し,緑地と緑地の距離が数?離れるような環境になってしまったこと。
ニイニイゼミは小型のセミであるため,飛翔力がほかのセミよりも格段に弱く,緑地と緑地との距離が数?以上も離れてしまうとその間を移動できず,分布を広げることが困難になってしまい,結果として数が減少しているらしいのです。
飛翔能力が弱いということは,移動中の捕食(鳥などの外敵に食べられること)の危険も増大します。

身近なちょっとした緑地や公園がなくなると,そのなくなった緑地に棲んでいたいきものだけが被害を受けるのではなく,その周りに棲んでいる小さないきものも移動手段を失ってしまい,結果としてその地域から姿を消してしまうことになるのです。

セミと環境?~都会のセミ~

7月もすでに中旬。
九州地方ではまもなく梅雨が明けると思われます。

梅雨が明けると夏本番。
夏の風物詩的ないきものといえば,「セミ」でしょう。

身近ないきものですが,セミといえばどんなセミを思い浮かべるでしょうか?
アブラゼミ,クマゼミ,ミンミンゼミ,ツクツクホウシ・・・
これらのセミたちは,もちろん,北の地方と南の地方で鳴き声が聞ける種類が違う(分布が違う)のですが,同じ地域でも,自然の豊かな地域とそうでない地域で,鳴き声が聞ける種類と聞けない種類がいます。

日本には約30種類のセミが生息しています。
セミは夏に地上に出てきて鳴き始めるいきものだと思われていますが,春先に地上へ出てきて鳴き始めるセミもいます。

そんなセミたちの中で,わりと広い地域に分布し,わりと知られた種類で,自然環境の指標として使えるセミとして,

クマゼミ,アブラゼミ,ミンミンゼミ,ニイニイゼミ,ヒグラシ,ツクツクボウシ,ハルゼミ

を取り上げて話をしましょう。

このうち,アブラゼミとクマゼミはいろんな環境に棲むことができますが,都会・都市部で多くみられる種類です。
そのほかのセミたちは,緑の少ない都会ではお目にかかることは少ない種類です。緑のあるなしだけではなく,どんな種類の木が植えられているかによって見られる種類も異なってきます。

今日は,どこにいても出会うことができるアブラゼミとクマゼミについて。

●アブラゼミ
アブラゼミ

北海道から九州,種子島,屋久島に及ぶ広い地域に生息しています。
沖縄にもアブラゼミは生息していますが,沖縄のヤツは”リュウキュウアブラゼミ”と呼ばれ,別の種類として扱われています。
アブラゼミという名の由来は,ジージリジリジリジーという鳴き声が油を揚げているときの音に似ているから,あるいは,羽の色が油紙に似ているからといわれています。
幼虫は,土の中で6~7年過ごし,孵化後,成虫になると2週間程度の命といわれています。
日本で一番ポピュラーなセミといっていいでしょう。

●クマゼミ
クマゼミ

関東より西の太平洋側に多いセミです。
日本では最大のセミに分類されます。
鳴き声は,シャアシャアシャアシャアシャア・・・・とかなりの大音量で,一番うるさいセミでもあります。主に午前中を中心にうるさく鳴いているようです。

平地の公園や街路樹で多く見られる種類ですが,ちょっと前まではそんなに多い種類ではありませんでした。
私が子供の頃(25年ほど前)には,クマゼミは平地では珍しく,神社や雑木林などに出かけても,高~いところにしかとまっていない,採集困難なヤツでした。コイツを捕まえると,小学校ではヒーローになったものです。

しかし,クマゼミは、近年環境省の調査でも分布を広げていて,特に町の公園や街路樹では特に多く,都市化の進行の指標になると言われています。

この原因についてはいろいろと言われていますが,その理由のひとつとして,クマゼミは,ほかの種類のセミが穴を掘れないような,人が踏み固めてカチカチに固くなった地面でも穴を掘って生息することができるからだ,といわれています。

おまけにこのクマゼミは,都会で大迷惑なことをしでかしています。
ちょっと前に,ある都市で光ファイバーの通信が切れてしまったことがありました。その原因を調べたら,クマゼミが光ファイバーのケーブルに産卵管(卵を木の中に産み付けるための管)で穴を開けて切断したためだと判明。光ファイバーのPVC外皮中央の溝が,クマゼミに産卵場所として気に入られてしまうため,時々発生しているらしいのです。

都会で大発生しているこの2種のセミ。
自分の住んでいる地域で,この2種のセミしか見つけられないようなことであれば,その地域の自然環境はとっても貧弱だと言えるのです。
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